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正信偈の意味は

親鸞聖人のお書きになられた『正信偈』という偈文の中にこういう一句があります。

邪見憍慢悪衆生【『真宗聖典』(東本願寺出版)205頁)】

私たちは正しく物事を見ることができない、憍りたかぶり、人を侮る存在であるということです。事実を偏見なしに見つめることができない存在であるということです。
この言葉から私は苦しみを自分の外側のせいにばかりしていることに気付かされました。「ものさし」ではかられた、と嘆く私もまた他者や社会を私の「ものさし」ではかり、色眼鏡で覗いていたのです。そして、私が批判するその社会やその構造を作ったのは実は紛れもなく今を生きている私だと思うようになりました。差別や偏見のない社会を、公平で等しい関係を願うはずの私が作ったのが、他者を「ものさし」ではかり出し抜き侮る不公平な社会です。苦しみを生んでいたのは私自身のあり方や行いであったのです。切り離すことのできない「自分」と「自分の外側(他者・社会)」を私は切り離して考えていたのです。

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